充血して充実屈辱(´∀`)

2008年01月08日

86歳の能登栗農家さんから頂いた年賀状

「松尾さんのお言葉に励まされ、
今年も頑張ってみようと思います」
の一言。

今シーズンから松尾栗園に能登栗を卸していただいたお爺さんです。
昨年同様、まだまだ松尾栗園単独の収穫量だけでは商売成り立ちません(^_^;)
今年は近隣の6件の農家さんから少しずつ仕入れさせていただきました。

で、冒頭のお爺さん。
当初は、「今シーズンを最後に能登栗栽培を引退します」と宣言されていました。
体力、特に腰痛の限界とのことで。
(奥能登の栗農家さんの9割が60代以上…
そのほとんどが後継者なく、毎年いくつか廃園化しております)
30代の自分でも日に日に腰パンパンになるんだから当然です。
でも、仕入れを始めてみたら、
痛みや虫食いはほとんど無し。
サイズ選別も完璧。
焼いてみたらいい香り出してくれるし、味も好評!

「こんなにたくさんの笑顔を生み出せる能登栗、
やっぱり…絶やしてほしくない!」って思った。
もちろん、それは今回仕入れさせていただいた全ての能登栗農家さんに当てはまります。
他に70代が1名、60代が3名、50代が1名(ご主人さんの年齢で)。
皆さんそれぞれ丁寧な選別で、
本当に素晴らしい栗を卸してくださいました。
(生意気ですが、味や選別レベルなど品質的な差を感じる方には仕入れお断りもしてきました。)

喜びは一緒に感じなきゃいけないってことで、
仕入れ先の各農家さんの元へはそれぞれ焼き栗を持参して、
「今日もたくさんのお客様に甘い、美味しいって喜んで頂けたんですよ〜」って報告に通いました。
時には玄関先で一緒に食べながら、
「これが私のところの栗け? 本当に? 熟成するとこんなに甘くなるんけ? 
まぁ、見事に美味しく焼けるもんだねぇ」と驚かれ、
「そんなにたくさんのお客様に喜んで買ってもらえているんけ? 
ありゃぁ、本当にありがたいことだねぇ。こんな嬉しいことないねぇ」と皆さん、満面の笑みで喜んでくださいます。
最後はいつもお互いに
「来シーズンもよろしくお願いしますね」と挨拶&口約束を交わします。
僕の興奮した話だけじゃ満足(信用?)できず、
自分の育ててきた栗が
「食べて買ってもらえている現場を一度見てみたくなりました」って屋台に来られた方もいます(^-^)/

俺ね、本当に嬉しいんです!
お客様の声はもちろんなのですが、
同業者の大先輩方に喜んで頂けることも。
俺はたった2年の経験ですが、
皆さん、すごく愛着感じて苦労もして栗を収穫しているって少しは分かっているつもりなので。
お買い上げ頂けるお客様には本当にただただ感謝の毎日です。
一方で、僕に売って頂いた農家さんにも感謝の気持ちは忘れません☆

そんな中で、お爺さんの年賀状での引退撤回のお言葉。
実は当初、
「廃園になってしまうのなら僕に継がせて頂けませんか? もちろん地代は毎年お支払いします」との無謀なお願いもしていて、
お爺さんも前向きに承諾の方向で考えて頂いてました。
でも、勝手に僕の気が変わって、
「もう一年だけでも栗園やってみてもらえませんか? なるべく時間作って剪定でも草刈りでもお手伝いに来ますから。
この栗の味、ずっと守っていくためにも、お爺さんのしてきた仕事を一年間だけでも見させてもらえませんか?」と言うようになっていました。

年賀状頂いて、
結果的にお爺さん無理させていいのだろうか。。。
気になって、今日のお昼にご自宅へ行ってきました。
奥様しかいらっしゃらなくて、
「今、栗園行ってますよ。雪溶けしてきてるだろうから状態だけ見てくるって。
最近はそんなこと全然気にもしないで冬眠していたのに、今年の冬は本当に元気で。
あの子(僕のことらしいです)にいい栗出さんと何言われるか分からんっていつも嬉しそうに笑って言ってますよ」って。
最後は奥様に何度も深々とお礼をされてしまいました。

午後から来客の用事があって、今日はお爺さんとは会えませんでした。

今週末か来週明けには焼き栗販売終わります。
少しオフとって里帰りや挨拶周りなど行脚したら、
自分の栗園作業に専念期間です。
でも、今年はなるべく時間作って、
少しでも長くお爺さんの後を付いて歩こう!!!
他の契約農家さんのところへも昨年以上にもっともっと足運ぼう!!!
松尾栗園の栗たちには浮気してると不満持たれないように、
さらにコミュニケーション深めよう('-^*)/

噂が広がって? この冬は新たに2件の能登栗農家さんから、
「松尾さんのところで高値で栗を買ってもらえると聞いたのですが、来シーズンからうちのもお願いできますか?」
と、ありがたい契約申し込みのお電話も頂けました。
「選別とか条件厳しいんですよ。
それを満たして頂ければ、喜んで作業量込みで仕入れさせていただきます」とお応えしています。
また、実際に現場で栗園の管理状況などを聞いてきました。

そんなに契約農場増やして規模拡大? ってことになってますが…
そのほとんどが後継者のいないご高齢の方々なんですよねぇ。
それに、絶対に俺は法人化や組織化はしたくない。
あくまでも気を遣わず自由に楽しく生きたい!

じゃあ、皆さんが引退されたら必然的に規模縮小? それ以前に需要縮小しちゃったら?
などなど本当は計画性持たないといけないのも分かります。
でも、その時はその時考えればいいや!
今は『能登の焼き栗』を通して、
お買い上げ頂けるお客様に、
育てている農家さんに、
できるだけ多くの方々に納得して喜んで頂きたいんです!!!

ただ、僕は商売人の前にあくまでも一農家ありき
…ひとりで動ける範囲でね(笑)


km3921 at 19:31│Comments(2)│ │携帯から 

この記事へのコメント

1. Posted by 朝市おばさん   2008年01月11日 11:43
たった一言!
「志を同じくする人と結婚せよ」
2. Posted by かずひろ   2008年01月15日 13:07
>朝市おばさん
ひとりの気楽さを失う方が怖いんです^^;
俺、典型的な結婚に向いていないタイプですね。

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